さすがにきついわ、これ!
仕事ピークで5日前から家にも帰れず、風呂にも入れず、もちろん布団になんか絶対入れない地獄のような生活を送っていました。さすが40過ぎのおっちゃんにはこれはきつい!
”理系エンジニアって辛いやね~!”ってぼやきの1つ2つも出てきそうな忙しさでしたが、何とか仕事に区切りがついて、やっと・・・やっと家に帰ってきてビールを一口飲んでそのまま寝てしまいました。(笑)
今回のお題は、建設設計業界(建設コンサルタント)に転職を考えている方向けに、この業界は”本当にブラックなのか?”の裏ブラック度の実情と、建設コンサルタント企業のブラック度を知る2つの判定方法!この2点についてご紹介します。
建設設計業界は本当にブラックなのか!そこが知りたいはず
”建設設計業界のブラック度!”の説明の前に、ちょっとだけこの業界がやっていることや、業務の忙しさの度合いについて書きます。
私は今まで3度転職していますが、今まで勤めた会社はすべてこの建設設計業界系(建設コンサルタント系)ですから、今から書くことは他の同業者でもそんなに変わるものではないと思っています。(今まで勤めた4社の傾向はほとんど同じです)
その上でこの業界の”ブラック度!”をご判断ください。
さて、一言で建設設計業界と言っても、いささか広うございまして、設計業界に携わっている会社は主に「建設コンサルタント」で、役所から発注される設計委託業務を仕事の糧として運営されています。
「建設コンサルタント」の業務は、ひとつの公共目的物(バイパス道路とかダム、橋梁など)を完成させるために、複数他社を含めた設計部署で綿密に設計内容の連携をとって計画立案し、具現化して実際に施工するゼネコンに設計成果を引き渡すまでが仕事です。
一見むずかしそうですが、建設設計業界は関連する他社や役所との設計の連携がこと上手く運んでいれば、ある意味この建設設計業界には”ブラック!”という言葉は存在せず、休みも取れるしむしろやりがいもあって、給料もそこそこ上位のホワイト的業界です。
ただ実際はそうも行かないのがこの業界の昔からの習わしで、ある意味完全なホワイトではなくブラック的な一面を持っています。
建設設計業界がなぜブラックと呼ばれるのか!その理由
結論から言いますと、建設設計業界(建設コンサルタント)は夏場はホワイト企業ですが、冬場は一転して超ブラック企業へと変わります。
世の中、どの業界でも仕事がスムーズに動くことなんて稀の稀です。結局どこかで躓いて”仕事の進行に支障をきたす!”なんて当たり前の世界です。
この建設設計業界も同じで、例えば運動会の騎馬戦で下の人間がコケると上の人間もコケるように、上流側の設計部署がコケると、それをベースに計画している下流側の別の設計部署の設計が”すべてコケる!”ってわけです。

この”コケ!”がこの業界を忙しくさせている原因で、だから”ブラックか?”って話が出るわけです。
通常、設計業務は単年度予算なので、どの設計分野でも1業務につき設計工期は6ヶ月間から9ヶ月間ありますが、作業手間としては条件さえ整っていれば、概ね契約設計期間の半分で終わらすことができます。
なので何も問題が起きなければ、建設設計会社(建設コンサルタント)は残業もほどほどで、限りなくホワイト企業なのです。(ただしコケなければです)
ただこの”コケ!”が設計期間終了間際に勃発すると一気にブラック化して、今回みたいに何日も家に帰れず、会社に寝泊りして(寝れれば良い方)、仕事を終わらす羽目になるわけです。
そのほかにこの業界を”ブラック!”と言わしめているのが、年度末に集中する設計工期末の業務量の多さです。(この頃は2日に1回程度、完了検査が行われます)
それにすべての業務の設計工期が年度末に集中するので、この”コケ!”と合わせてこれまた忙しさに拍車を掛けることになります。
冒頭で”建設系の設計業務はクソ忙しい!”みたいなことを書いていますが、正直、こういった状況はこの業界では特に珍しい話でもなく、どこの建設設計会社でも同じようなものです。
建設設計会社(建設コンサルタント)の残業時間を公開!
これを読んでくださっている方が気になるのは、このクソ忙しい時期に建設コンサルタントはどんだけ残業して年度末工期の業務を終わらせているか?、”年間どれだけ残業しているのか?”ということだと思います。
ここで私の会社を例にお話しすると、その年や部署の設計内容にもよりますが、夏場はけっこう暇で月残業20~30時間程度ですが、冬場は一転!この繁忙期の1月~3月は月200時間を超えています。(徹夜泊まりが多いですから)
これが現実です。(私の部署だけの話ではないです。たぶん他社さんも同じ)
もし建設設計業界に転職しようと考えている理系技術者の方は、設計業種どうあれ、冬場の休暇はもう諦めた方が良いですし、この時期は”土日休日はほとんど休めない!”と思っていた方が良いです。これは間違いなく当たっています。
ただこの話は理系技術者だけの話であって、腹が立ちますけど総務や事務職、営業系はこの時期平気で休んでいますから、勘違いしないでくださいね。
それと設計部署で、環境部門とか景観設計部署、交通解析部署などは、どの時期もあまり残業はしていません。
やはりブラック度が濃くなるのは、道路設計とか構造物設計に絡んだ部署で、この部署の理系技術者は運良く週に1日休めれば御の字!これが建設設計業界の冬場の現実です。
”じゃ、建設設計業界って完全にブラックじゃん!”と思うでしょうが、ただこの業界は年がら年中忙しいわけではなく、9月頃から忙しくなり始め、1月から3月に仕事のピークを迎えますから、実質忙しいと言っても年間の月平均残業時間に均せば50時間前後といったところです。
建設設計業界は確かにこういった年度末納期の時期や”コケ!”の部分が同時に勃発すれば、ストレートど真ん中でブラックです。ただそのブラック期間は長くても半年間で、残りは徐々にホワイトに戻ります。
これを総じてブラック業界と呼ぶかどうかですが・・・
何を持ってブラック企業と判断するか|社員ブラックもある!
人それぞれブラック企業と判断する基準はマチマチで一貫性がないので、何を持って”ブラック!”と判断するかです。
例えば普通の一般社員が”ブラック!”と判断するのは、休日に休めない!勤務時間労働に見合った手当てが出ない・・・つまり休暇と残業に絡んだものが主な原因ですよね。
仕事ばかり押し付けて残業代も支払わない!そりゃー誰でもブラックと思いますよね。
気持ちは分かりますが、ただ私の判断基準では正当な理由もなしに”残業代も出さないでタダ働きさせる!”・・・これは7割方ブラックだと思いますが、3割方はブラックではない!と思っています。”見なし残業!”という領域があるからです。
私の会社では一般社員の場合、36協定の時間内であれば青天井で残業代が支給され、それを超えたものに関しては、年度末手当て(ボーナス)で支給されます。ただその分、残業時間の拘束は多いです。
会社とすれば残業しないと終わらない業務に対して、その対価として正当に賃金を支払っていますから、時間の拘束はあれ、これはブラックではないと考えています。
ただ先ほど触れた”見なし残業!”に関しては一切支払いません。
その判断は中間管理職である私に任されていますが、ぶらさがり社員みたいに生活残業をやっている人間はいますし、実際に部下に仕事を押し付けてばかりで、自分で手を動かしていない社員もいます。

管理者目線から言わせてもらうと、これはもうブラック企業云々の話ではなく、社員本人がブラックなわけです。
”形を見せてナンボ!”の世界で、その形を見せないで”残業代を支払え!”と言われても払えませんし、実際に彼らもそれを分かっていて、残業時間の査定に応じています。
バイトやパートみたいに拘束時間=残業時間ではないのです。
よく、”残業代が削られた!”とかネットで書かれていますが、今の時代、何の理由もなしにそんなことしたら、社員に監督署に飛び込まれますし、私としてもそれを正当に評価して残業時間を調整しています。
一度、今勤めている会社の雇用契約書を確認してみてください。
そういった旨のことが書かれていませんか?・・・であれば、それはブラックうんぬん以前の話です。
建設設計会社のブラック度を探る2つの指標と方法!
建設設計業界はブラックとも言えず、かと言ってホワイトでもない”グレー!”って感じの会社が多いですが、総評すると”グレー!”が当てはまると思います。
ただ中には本当にブラック企業というのは存在します。
建設設計業界(建設コンサルタント)に転職を考えている方は、何が何でも事前に応募する企業のブラック度は知っておきたいですよね。
下請け会社にブラック企業が多いのはどこの業界でも同じですが、建設設計業界(建設コンサルタント)の元請企業にもブラック企業があるので、ここでブラック度を調べる2つの方法をご紹介します。
・転職クチコミサイトからのブラック度判断!
社員一人当たりの業務消化額からのブラック度判断!
この指標はかなりざっくりした方法ですが、判別方法は単純な話、会社の年間受注金額(企業IRで確認してください)における社員一人当たりの業務消化額を見ることです。
実際この指標は、各会社によって専門とする設計分野が違うし、海外事業が絡んでくるとバラツキが生じますが、国内の建設設計業界(建設コンサルタント)の社員一人当たりの業務消化額は、通常多くても中小企業で1,500万円前後/1社員、大手企業で2,500万円前後/1社員が妥当な線です。
計算式はこんな感じです。
例えば会社の年間受注金額が50億円として、技術系社員数が250人だとすると、一人当たり2,000万円の年間業務消化額ということになります。
もちろん年間受注金額だけでは、どの設計部署が外注費にどれだけ使っているかは分かりませんし、内成果主体でも変わってきますが、普通の会社の外注費は受注金額の50%以下ですから、残り50%の内成部分(直営)をこの指標で見るわけです。
まずはこのバランスを見ることです。社員一人ができる業務量はほぼほぼ決まっていますから、そのバランスが崩れている場合は、そこには崩れている理由が必ずあるはずです。
社員一人当たりの業務消化額が他社と比べて異常に多い場合は、業務一人当たりの業務過多になっている可能性があるし、逆に少なければ”安定企業!”とは呼べなくなりますし、そこでも会社を維持させるために業務過多を強いられている可能性があります。
指標としては、似たような企業の年間受注金額における社員一人当たり額を比較して、優良企業並みの水準であれば、”ブラックではない!”と判断できると思います。
バラツキはありますが、このあたりは1つの指標になるはずです。
転職クチコミサイトからのブラック度判断!
この方法は企業のブラック度を知る定番中の定番で、転職クチコミサイトの書き込みからブラック度を判定する方法です。
この転職クチコミサイトは、現役企業の社員から発せられた内部情報を暴露しているサイトですから、”信憑性!”という点では難がありますが、企業HPと求人応募要項とこの書き込みを照らせ合わせると見えてくるものがあります。
転職クチコミサイトの使い方や詳細は以下の記事を参考にしてください。
建設コンサルタント裏ブラック度判定の2つの方法(まとめ)
ネット上に建設コンサルタント!つまり建設設計業界の裏ブラック度について書かれているサイトがほとんどないので、今回さわりだけですが公表しました。
実際、建設コンサルタントの冬場はある意味地獄ですが、夏場はけっこう休めます。
ただこの業界で一番引っ掛かるのが、”転勤が多いこと!”です。
今の建設コンサルタントは、大手企業では日本全国に支店を構えているので、転勤先は日本全国になりますし、私の会社のように海外事業部があれば、日本だけに留まらず海外赴任もあります。
中小企業の場合は、主要都市に限定した数支店しかありませんので、もし転勤があったとしてもその頻度は極限られたものになるはずです。
”転勤は受け入れられない!”という方は、中小企業の建設コンサルタントを選ぶのも良いかも知れません。その際にはこの2つの指標を参考になさってください。
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