毎年この時期になると、企業側の中途採用募集の数が大幅に増えるはずなのですが、この2月の転職サイトリクナビNEXTの求人数を見てみると、やはり昨年、一昨年と比べてかなり凹んでいるようですね。
有効求人数(リクナビNEXT![]() |
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営業 7734件 |
事務・管理 4751件 |
企画・マーケティング・経営・管理職 2275件 |
サービス・販売・外食 2127件 |
Web・インターネット・ゲーム 2632件 |
クリエイティブ(メディア・アパレル・デザイン) 770件 |
専門職(コンサルタント・士業・金融・不動産) 3088件 |
ITエンジニア(システム開発・SE・インフラ) 11155件 |
エンジニア(機械・電気・電子・半導体・制御) 6332件 |
素材・化学・食品・医薬品技術職 1291件 |
建築・土木技術職 7310件 |
技能工・設備・交通・運輸 2631件 |
医療・福祉・介護 946件 |
教育・保育・公務員・農林水産・その他 768件 |
例年であれば、この時期に求人数5、6万人を優に超える転職サイト最大手のリクナビNEXTでさえ、この2月のトータル求人数は48,000件弱といったところです。
”この数字はある程度想定内だった!”とは言え、転職を真剣に考えている方には決して良い数字ではない!むしろ想定外に近いような数字だ。
この求人数は、リクナビNEXTに求人広告を依頼した国内すべての企業の求人数ですが、当然のことながらその募集地域は都市圏に偏っている。
この現実からして、都市圏転職を含め、地方転職、Uターン転職を考えている方には、この2月、3月はさらに厳しい転職活動を強いられることになるのは目に見えています。
今回のお題は、このコロナ禍での転職成功には、今までの転職活動に加えて、さらにひと工夫必要だ!という内容についてご紹介します。
コロナ禍転職での成功は今までと違い一筋縄ではいかない!
このコロナ禍の影響で企業の中途採用活動が難航しているのか、思った以上に企業側の求人数は増えてはいない!
昨年、転職サイトのDODA(デューダ)が公表した求人倍率1.79が現実的なものになっているようです。

コロナ禍での求人数減少は仕方がない。でも倍率はまだ1.8近くもあるじゃないか!
・・・転職を希望されている方の大半はこの数字を見てそう思っているはずです。

ただこの1.79という数字は、IT企業の求人数が押し上げているだけですから、異業種の数字はほとんど1.0前後になっているはずです。
タダでさえ求人数が増えるこの時期に、昨年12月とさほど求人数に動きがない!いやこの数字はむしろ下がっているのではないだろうか・・・今後はどうなんだろうかと不安を持っている方も多いと思います。

それでも求人数がゼロになったわけではない!今まで通りの転職活動を継続すれば、いずれ良い会社が見つかるはず!
・・・現実を直視していない方の典型的な良い分ですが、あながちそう安易に思っている方もかなりの数に上ると思います。
そうであれば良いのですが、でもよく考えてみてください!
今のコロナ禍での転職希望者と企業の採用募集のバランスはこんな感じです。
求人数のパイが少なくなれば、転職企業への行き場が狭まった分、今まで見向きもしなかった優秀な人材も諦め反面、それなりの中小企業への応募に流れることになります。
これがどうなのかと言いますと、今までは求人に応募する際に、ある程度のビジネススキルや経験があれば採用されたものが、自分より優れた人材が応募することによって採用難易度が上がり、自分が採用枠から外れる!ということになるわけです。
転職のタイミングを見計らって時期を逃した方は、今ではこういった優秀な人材を相手にして戦わなければならなくなる・・・それがこのコロナ禍転職の特徴になっています。
何たって求人市場のパイが少ないわけですから・・・
優秀な人材はしっかりと自分を持っていますし、ほかの方とのスキル上での差別化、武器もしっかりとできている・・・そんな人間と相まみえるわけです。
もうお気づきでしょう!こういった優秀な輩と応募で戦うわけですよ。
そういったなか、今まで通りの付け刃的な知識と感覚での転職活動で勝負なんてできないですよね。それって通用すると思いますか?
そんな過去のやり方ノウハウでは、まったく採用企業に通用しなくなっているのが今のコロナ禍転職です。
さすがに厳しい状況ではあるものの、黙って指をくわえているわけにも行きませんから、まずはメゲずに自分のキャリアをもう一度棚卸をして、他の応募者との差別化できるポイントを探ってみてください。
今後どうするか!の答えはその先にあるはずです。
参考転職サイト: リクナビNEXT
採用現場が売り手市場から買い手市場に移っている現実!
まず本気で転職したい!と思っている方は、今のコロナ禍での転職は、もはや過去の売り手市場から企業側に有利な買い手市場へと移っていることを認識してください。
確かに今までは売り手市場でした・・・
今まで(売り手市場)は、会社の規模や知名度、年収、福利厚生などが足かせとなって、超優秀な人材は応募すらしなかったのが現状です。
大手メーカーのSONYに入れるほどのビジネススキルを持った人間が、あえて街の中小企業へ転職しようとは思わないのと一緒ですよね。
それが転職の世界が買い手市場になってからは状況が一転しています。
コロナ禍転職での弊害!応募書類の審査が厳しく通過できない
まず買い手市場の特徴のひとつとして、今までの売り手市場と違い、企業側は優秀な人材を選びやすくなった!というのが実情です。
求人のパイが減って企業の選択肢が狭められている中では、優秀な人材ほど我先にと、今まで見向きもしなかったそこそこの企業に応募するわけですから、企業側としては”欲しい人材がやっと現れた!”という感覚です。
その反面、弊害として優秀人材の応募で他の方の応募書類審査が非常に厳しくなっている!というのが挙げられます。
1企業当たり1人、2人といった採用枠の中で、今までに応募がなかった優秀人材の応募が幅を利かせるわけですから、自ずと結果は出ていますよね。
応募者側も、中途採用募集のピークを迎える3月を過ぎれば、有効求人数は1.79を下回ることは確実視していますから、”ここはもう待っていられない!”と、是非とも採用を勝ち取りたいと必死になります。
今の私に言えるのは、優秀なビジネススキルを持った人材が行動に移す前に、この2月の段階で先手先手で動かないと、せっかくのチャンスもさらに狭まるということです。
それと今まで企業に提出した職務経歴書や履歴書、自己PR書などは、もう今の時代にそぐわないものになっているはずなので戦えないです。
こういった優秀な人材とも戦えるような書き方、表現、言い回しに書き直すべきと思います。
先手必勝とは言いませんが、応募書類含め、行動を先送りするより”今すぐ行動!”が、応募企業側への印象も良くなるのでは?と思います。
参考転職サイト: リクナビNEXT
応募企業側の中途採用担当者だってひとりの人間です。
今すぐ行動での応募者と、ギリギリ応募者とでは、やはり”この会社に入りたい!”といった転職に向ける熱意の差が感じられます。

私はこの前まで中途採用担当者を兼務していたので、その感覚は良く分かります。
転職希望者の2月の行動は先を見越す重要な時期になる!
中途採用のピークを迎える3月に入ると、多くの方はその優秀な人材と肩を並べて応募せざるを得なくなります。
なので3月を迎える前のこの2月は、転職希望者にとって重要な時期になります。
先ほど述べた自身のキャリアの棚卸をベースに、応募が集中する3月前に先手先手で企業への応募はもちろんこと、企業リサーチも欠かせない大事な時期になるはずです。
企業側が着目するポイントは昔も今も変わらず、優秀なビジネススキルを持っていて、コミュニケーションが図れて、かつリーダーシップが取れる人材です。
それとこの会社に入社したい!といった熱意です。
その企業目線と自分の棚卸を見比べてみてください。
中途採用担当者の目は、私が以前兼務でやっていた中途採用担当者目線と同じで、経験上厳しいし、無慈悲なところもあります。
その結果、採用されなかった・・・気持ちは分かりますが、でもそれだけで終われますか?
棚卸の中で、自分の誇れるビジネススキルは何か!コミュニケーション能力、課題解決能力はあるか!リーダーシップを張れるか!・・・
面接まで漕ぎつけた方は、この3点を集中的に聞かれたはずです。
この3点目線は中途採用担当者が必ず見るポイントですし、評価する部分ですからね。
まずは優秀な人材と肩を並べるための棚卸で差別化に注目して整理して、どういった方向で攻めるのか!(攻めるんです)・・・これは本当に大事なことです。
”私はみんなをまとめる力には自信がある!”・・・根拠も必要ですが、たったそれだけだって良いんですよ。
自分の売りをどのように企業に分からせるかが鍵なのです。
コロナ禍転職では未経験者は冷遇される傾向にある!
一昔前までは、転職サイトを覗くと”未経験者優遇!”という触れ込みで求人広告がけっこう出されていましたね。
それは今でも変わりませんが、この2月の転職サイトリクナビNEXT内での”未経験者優遇募集!”は約10,000件と、以前に比べてかなり数減少しています。
あの人材不足で首が回らないIT企業の募集でさえ、最近では少しプログラムをかじったくらいのスキルでは採用を見送る方向に走っているそうです。
これはどの業界でも同じような傾向で、中途採用企業の多くは、買い手市場の中では未経験者は冷遇されるようになりました。
企業側からすれば、この時期にわざわざ未経験者を入社させるメリット少ないわけですし、減収益が加速するなかでは、即戦力を優先して採用するはずです。
そういった目線で考えると、今まで転職活動の方向性を見誤って活動されていた方は、今までは未経験でも”この会社になら入れそう!”・・・そう思っていた会社が手の届きそうもないところにあるかも!って話になります。
残念ながら、どこの世界でも買い手市場とはそんなものです。
こういった現実の前に、ここまで変わった採用現場の状況を先読みして、先手先手で転職活動をされてきた方は何人いるでしょう。
たぶん、ほとんどいないでしょう。
今までの転職活動で学んできた知識だけではもう勝ち目がないことを理解して、”どうやったら他の応募者と差別化できるか!”を考えて行動した方達が、やはり転職に成功しているわけです。
買い手市場への変貌で転職希望者にのしかかる重み(まとめ)
今まで勤め上げてきた会社のビジネススキル!というのは、今日明日でポーンと伸びるわけではありません。
実際に手を動かして、頭を使って仕事をしていないわけですから、当然、別業種へ転職しようとしても、どうしたって視野が狭いわけです。
では絶対的に経験がないと転職もできないのか?というと、そうではないです。
まず私が考えるに、転職とは”上を見過ぎず下も見過ぎず!”というのが成功の鍵だと思っています。(簡単に言える言葉ではないですが)
どんな仕事であれ、責任をもって仕事に就いているわけですから、自分の誇れるビジネススキルは何か!コミュニケーション能力、課題解決能力はあるか!リーダーシップを張れるか!に関してはいくらでも他に応用が効くはずです。
応用・・・つまり自己アピールはものの言いようでいくらでも評価が変わる!ということです。
この企業への応募は書類が通らない!・・・現実的にそうなりつつある部分もありますが、一度そう思ってしまうと、もう一歩も先に進めなくなります。
そんな迷いを払拭するには、まず気になる企業の求人は見逃さないことと、継続して転職活動を続けること!そして自分の良さを全面に押し出すことです。
大事なのは、”このコロナ禍の中で転職は厳しい!”と思うよりも、”厳しい中でどうやったら転職を成功させられるのか!”といった考え方を持つことです。
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