転職を考えている方なら誰でも聞いたことがある言葉!それが「35歳限界説」。
”35歳から求人企業が一気に減って転職が厳しくなる!”という意味合いから生まれた言葉ですよね。
「35歳限界説」・・・うーん、男性と女性とではこれまた話が変わってくるとは思いますが、この言葉って有効求人倍率1.6を保っている日本の求人企業の中で、今でも生きているんでしょうかね?
私自身(中途採用担当者です)、企業側のある事情を除いて”それはもう過去の話では?”という見方をしています。(事実、私は数年前に39歳で転職していますから)
今の時代は”キャリア形成がどこまでされているか!”で企業側に評価されますから、男性だろうが女性だろうが関係のない話では?ということです。
今回はこの「35歳限界説」という言葉の信憑性を、中途採用担当者の立場・目線からお話します。
「35歳限界説」に踊らされてやってはいけないこと!
「35歳限界説」・・・これってやっかいな言葉ですよね。
この言葉って、確か「リーマンショック」を境に広がったと思いますが、この言葉を信じて転職に二の足を踏んでいる方も多いと思います。
ただどうなんでしょう・・・そう思い込んでしまったらもう先に進めないですよね。
この言葉が足かせとなって転職活動に翳りでも出始めたら、先が見えなくなっていつまでも目標に辿り着けなくなってしまいます。
この悩ましい「35歳限界説」!はたして本当に事実なんでしょうか。
とりあえず仮に「35歳限界説」が事実であったとしても(私はないと思っています)、35歳以上の転職活動の中でやってはいけないこと!があります。
「35歳限界説」|何のため?誰のための転職活動なのか!
これは本末転倒で絶対にやってはいけないことです。
まず何のための転職活動なのか!誰のための転職活動なのか!ということです。
そう思った時点で今までの転職活動は下降線を辿ることになりますし、下降線の先には”妥協!”という文字が浮かび上がってくるはずです。
仮に妥協して希望する会社とは違う会社に転職できたとしても、その結果に満足できずに再度転職を考えるようになります。
転職活動では自分の持つ不本意な気持ちは抑え切れない!
人ってそんなものですよね。
「35歳限界説」に踊らされて、結果的に妥協して不本意な会社に転職できたとしても、転職活動初期に希望を持っていたあの頃の自分の気持ちは誤魔化せないですし、必ずや後々まで引きずって、行きたかった企業とあれこれ比較し始めます。
もし「35歳限界説」を信じているのでしたら、一度以下に書いていることを参考にしてみてください。以下に詳細を述べますが、あなたが思っているほど求人企業側はそんなに「35歳限界説」に拘っていないと思います。
以下に詳しくご説明しますが、35歳以上の中高年のニーズは今だ・・・いや、リーマンショクみたいなデカいことがない限り、今後も伸び続けるはずです。
「35歳限界説」に疑問|この言葉は今だに生きているのか!
実際のところ、私の勤めている会社ではそんなに35歳に拘っているわけではありません。
前述したとおり、私は34歳と39歳で転職していますから、逆に”何で35歳に拘るんだ?”って感じです。
確かに35歳という年齢は、マネージャーとプレマネージャーの境目になる年齢期に当たりますが、今は年功序列型給与体系の崩壊などでそんなものは関係なくなってきています。
事実、私の会社でも年功序列型給与体系は見直されて、人事考課で全員の年収が見直されています。
年収は極端に下げず上げずって感じで、ボーナスで調整されますが、会社への貢献度が低い、言わば評価されていない社員はやはり年収は下がりましたよ。
こういったように企業が求めている求人年齢は、年収といったものに左右されず、年齢制限を課すよりも求職者の質を取るようになってきています。
とは言えど、「35歳限界説」を今だ信じている方は多いはずです。
世間であまりにも騒がれ過ぎたので、誰でも”35歳以上の求人企業のニーズなんてタカが知れている!”って思われがちですが、とりあえずあまり考え過ぎないで、以下のグラフをご覧ください。
35歳以上の求人企業のニーズは今だに伸び続けている
少し古いデータになりますが、このグラフが示す通り、年々確実に35歳以上の方の転職成功率が伸びています。
出展:転職サイトDODA(デューダ)
このグラフをパッと見ると、”なーんだ、やっぱり「35歳限界説」ってあるじゃん!”って思ってしまいそうですが、実はそうではありません。
このグラフは(全年齢転職成功者/全年齢転職希望者)を各年齢層に成功人数割で振り分けただけのものですから、各年齢層単体での転職成功率は分からないグラフです。
一見、25歳~29歳が40.3%、30歳から35歳が29%と転職成功率が高いことが伺えますが、これは単にこの年齢層で転職活動をしている方が多いというだけの話です。

ちなみに、転職活動をされている方の年齢層は30歳以下が全体の半数を占めていて、肝心の35歳以上の方の閉める割合が約7%です。なので34歳以下の転職成功率が高いのも当たり前の話です。
肝心の「35歳限界説」の対象となる35歳~40歳では14.3%で、40歳以上では9.3%と少なく見えますが、これも35歳以上では転職活動をされている方が少ないので低くなっているだけです。
この35歳以上が閉める転職成功率23.6%(14.3%+9.3%)を、年齢層単体人数での成功率に換算すると23.6%どころではなく、かなり高い数値になるはずです。
少々こじつけの部分もありますが、こういった意味合いからしても、「35歳限界説」という言葉はそんなに信憑性があるものでもないということが言えます。
この言葉や意味するところをあまり考え過ぎずに、自分の行きたい企業へ、より良い求人企業へと転職活動に励んでください。
それと、この「35歳限界説」を覆すに値する要素もまだまだあります。
それが年々増え続けている「有効求人倍率の高さ」です。
最近の有効求人倍率の高さも「35歳限界説」を覆すに値する
今は「人生100年時代」と言われている時代で、正社員で勤めていた場合、今までの60歳定年から再雇用制度を利用して65歳まで働ける時代です。
この状況を転職希望者が見れば、”雇用ポストが開かない分、転職活動のパイが狭くなる!”といったイメージがありますが、実はそうでもなく、今は有効求人倍率が1.6前後と高いので、逆にこれで雇用のパイが広がったとも言えます。
出展:厚生労働省一般職業紹介情報2018
”それは違う!若年層の求人枠が増えただけの数字だ!”との見方もありますが、ただ転職系サイトが近年の中高年の転職成功率をまとめた情報では、先頭の「転職成功者の年齢割合」のグラフを見ても分かるとおり、今は35歳以上はもとより40歳以上の採用率が年々増加していることを発表しています。
この「転職成功者の年齢割合」と、有効求人倍率1.6%という高い水準の要素を加味すると、必然的に35歳以上の転職雇用のパイが広がっていることになります。
ひとつ例を挙げると、これは私の勤めている理系企業の実情ですが、「即戦力人材」を求めている場合は前述したように、ちまたで言う”35歳!”という年齢に拘りません。
逆に理系企業の35歳という年齢層は正直、まだまだプロジェクトを任せるには不安要素の多い年齢に当たります。
もちろん35歳でもプロジェクトを任せられる方はいるでしょうが、ただ技術を使って単に仕事を回す!言わば”プレイングアシスト”に徹するだけで、”会社を背負って企業拡大!”という経営者側の立場・目線から力を発揮できる方はほとんどいません。
ここなんですよ!企業側が実力のある中高年層を採用する目的はこれなんです。
こういった技術の継承で悩んでいる企業は多いと思います。
この中高年の採用傾向は、職離れが激しい若年層の退職も相まって、さらに加速すると私は読んでいます。
結果的に「35歳限界説」と同じように採用されないケース!
これは35歳限界説とは違った意味合いになりますが、企業側は人材不足を補うために求人を募集しますが、その募集には会社の戦略構想が絡んでいます。

トップヘビーの会社(管理職ばかりで若手がいない)の企業もあれば、逆にプロジェクトの舵を取る中高年が不足している企業もたくさんあります。
理想とするピラミッド型を補うために求人募集を掛けているのですが、実際のところ、前者であれば若手社員の増強が目的ですから、当然、中高年者は採用を見送られますし、結果的に「35歳限界説」と同じように扱われてしまいます。またこの逆も然りです。
要は企業が求めている年齢層と転職希望者とのマッチングの問題であって、マッチングさえ合えば別に「35歳限界説」という話はここではなくなる話です。
そのあたりは、企業に応募して断られたとしても、”マッチングが合わなかった!”と割り切って活動なさってください。
あなたの能力・スキルがどうのこうのと言う前の話ですから、何度でも企業応募しても良いでしょうし、それで落ち込まないことが大切です。
企業が求人募集を一斉に出すのは3月|企業応募するなら募集が増える3月がベストなタイミング
年も明けてもうすぐ企業の決算期である3月になります。
この時期は企業の年間決算がほぼ確定しているので、サプライチェーンマネジメントを経て、求人企業側が来期に向けて一斉に求人広告を出すようになります。
もし今活用されている転職系サイトがありましたら、この3月決算の時期はレーダーを張ってサイトの求人情報に目を配ってください。
転職エージェントを使われている方は、エージェント側ももう企業情報は掴んでいるはずですから、こちら側からキャリアアドバイザーにアピールすることも大切です。
もし転職系サイト(転職サイト、転職エージェント)に登録されていない方は、今からのサイト登録でも3月には十分間に合います。
参考転職サイト: リクナビNEXT : DODA
参考転職エージェント リクルートエージェント
マイナビエージェント
パソナキャリア
このサイトから、あなたの年齢やスキルに合った多くの求人が見つかるはずですし、初めての方は、まずは簡単に登録できる「転職サイト」の方が使いやすいと思います。
(たった5分でサイトに登録できます)
それとなぜ3月に求人広告が増えるか!は以下の記事を参考になさってください。
その理由を詳しくご説明しています。

私の勤めている会社でも3月初旬に求人広告を出す予定で、今月中に転職系サイトとの広告レジュメの詰めに入ります。

ちなみに採用人数は3人!”35歳!”には拘らず、技術を持っている方2人と、営業事務職1人の採用を予定しています。
技術職2人は退職者の穴埋めですが、企業側も妥協して採用するようなことはしません。状況によっては今回の採用をすべて見送る予定です。
営業事務職の方は毎回のことながら早い段階で決まるでしょう。女性の応募が多いです。こちらは特に心配していません。
こういったように、どの企業でも来期に向けて”企業側の求人募集活動!”を始めていますから、この求人企業が増える時期を上手く狙って、自分の行きたい企業を見つけてください。
「35歳限界説」に踊らされてはいけない3項目(まとめ)!
今までに書いたことを一度整理してみますね。
- 「35歳限界説」に踊らされてはいけないこと!
- 「35歳限界説」:この言葉は今だに生きているのかの根拠!
- 有効求人倍率の高さも「35歳限界説」を覆すに値するその理由!
この3項目はもはや「35歳限界説」を信憑性のない言葉だと裏付ける内容です。
確かに過去には就職氷河期があって、新卒ニートもちらほら囁かれた時代があり、それに引きづられて中高年層の転職にも翳りが出たことは事実です。
ただそれは企業側が先々の業績が見えないため、守りに徹しただけのことです。
「35歳限界説」が世に知れ渡った当時は、景気の先行きが見えず、企業側も経費削減、人件費削減と叫ばれていて、有効求人倍率も1.0を下回っていて、転職に関しては完全に企業側の「買い手市場」だった頃の話です。
今の「売り手市場」とはまったく違う時代の話ですよね。
最後に私の話ですが、数年前の私自身の転職では苦労したのか?と言われれば、それなりの苦労はありましたが、転職サイトからのエントリーで弾かれたのは2社くらいなもので、それ以外はすべて面接まで辿り着いていましたよ。
「35歳限界説」なんて気にせず、目標に向かって悔いのない転職活動を行ってください。まずはともあれ先に進みましょう。
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