転職を成功させる大事なポイントとして「会社選び・企業選び」があります。
転職活動はそこから始まりますが、「転職系サイト」に掲載されている求人情報を見ると、超大手企業から無名企業まで数千社が掲載されているので、どの業種・企業に的を絞れば良いか迷うほどですよね。
大手企業には「ブランド力」というものがあり、しかも掲載されている求人広告の中で一際目立っていていますから、誰でも一度は応募してみたい!と思うでしょう。
その求人企業の中には新卒時に夢叶わずで入社できなかった企業名もあるでしょうね。
ただ転職で一番大事なことは、そういった「ブランド力」に惑わされず、自分に合った会社選びをすることも大事なことです。
今回のお題は、企業応募してもやり方次第では結果が思うようには付いてこない!という点と、応募する企業に対する信憑性と疑問についてご説明します。
企業ブランド・知名度だけで選ぶ転職は必ずしも成功しない!
会社を選ぶ際には企業の「ブランド」、「知名度」はやはり誰でも魅力を感じます。
TVCMで誰でも知っている!福利厚生、給料・待遇面!まわりにも聞こえが良い!などなど、”この会社で働けたら一生安泰!”という企業が求人を募集していたら、誰だってそういった妄想が掻き立てられますよね。
「転職サイト」経由で運よく大手企業の書類選考、面接を通過して入社できる方もいるでしょうが、ただ「ブランド力」だけで会社を選んで応募しても大半の方は失敗します。
まずどの大手・中小企業も中途採用枠が非常に少ないです。
それに運よく書類選考に通ったとしても、面接の際に提示された仕事が”やりたいことと違うじゃん!”ってこともあるわけです。
私も最初は大手企業に勤めていたのでこれは良く分かりますが、大手企業では自分が仕事を上手く回すための”単なる歯車!”になることもあるのです。
年収も組合が頑張ってくれるので確かに良い方ですが、その歯車だけで会社生活を終える人もたくさんいます。
あっ!当然リストラもありますよ。
大手になればなるほど自分のやりたい仕事や部署に就けない!・・・そんなジレンマが大手企業にはあるんですよ。
私の1回目の転職理由は正にこれでしたからね。部署を外されて地方に飛ばされましたからね。
大手企業の採用枠は1人もしくは多くて2人!
まず求人広告で掲載されている企業の採用枠ですが、求人欄には採用人数があまり記載されていませんよね。
あんなにデカデカと広告宣伝している大手企業なら5~6人は採用するイメージですが、実際は企業側の採用枠は基本1人か、若しくは2人です。
「転職系サイト」に載っている求人はあくまで”急募”です。
”急募”はポストロスした人材の穴埋めとして利用されるものですから、採用枠はその人数と基本同じですし、増やせない理由があるからです。
企業は社員を一人採用すると、社会保険料(労災保険、雇用保険、厚生年金、健康保険等)、福利厚生費(住宅手当、退職積立金等)、外部研修費用などを含めると社員年収の1.5~2倍は掛かります。
仮に2倍とすれば、年収500万円の社員に会社が支払う金額は1,000万円。10年勤めたとしたら1億円ですから、そう簡単には採用枠は増やせないわけです。
当然応募の方も1人か2人枠に数十人がエントリーするわけですから、倍率の方も非常に高いということを考えて応募してください。
ただここで知っておいてもらいたいことがあります。
大手企業の中途採用の応募に当たっては、エントリー前にフルイに掛けられ、違う過程で審査されることもあるということです。
「転職系サイト」に大手企業の求人が載っているからと言っても、誰でも同じ土俵に立てるわけではありません。
大手中途採用はSPI性格検査を採用条件にしている企業もある!
一般の求人企業の中途採用の流れは「書類選考」⇒「面接(事業部)」⇒「面接(経営者面接)」⇒「内定」といったものです。
が、大手企業では中途採用にもTOEICの点数とSPI性格検査(能力検査、性格検査等)を加味するケースが増えています。
私の会社ではやりませんが、最近では名の知れた中小企業でも中途採用をする際に、試験を提供する企業に依頼してSPI性格検査をするようになってきています。
ここでTOEICの話をしますが、まず大手企業を狙う場合、外資系企業に応募するならTOEICは700以上、日本の大手企業でも600以上が最低レベルです。600以下の方はまず大手企業には入れないと思っておいてください。

仮に応募しても書類選考の段階で落とされます。
ただしTOEICはもう諦めるにしても、SPI性格検査だけであればこれで良い点数を取って面接にまでこぎ着けたいものです。
>>ご存知ですか、インターシップでもSPIを実施される企業があります。インターシップの試験対策にもご利用可能です。
ただ最近、このSPI性格検査もけっこうむずかしくなってきていて、ほとんど「能力検査」で落とされています。
もう一度書きます。企業側の採用枠は基本1人か、若しくは2人です。
ただ大手企業の中途採用の中にも、今だこのTOEICとSPI性格検査を実施していない企業もあるので、その中で自分に合っている企業があればそちらを狙った方が懸命です。
大手企業の度重なる広告掲載に疑問を持つ求職者の迷い!
「転職系サイト」に掲載されている求人情報に、ふと疑問を持ったことはありませんか?
大手、中小企業に関わらず、なぜ同じ企業が頻繁に、しかも長い期間連続して求人を掲載しているのか?ってことです。
通常、求人広告掲載期間は4週間です。
ただ連続して掲載されている状況を見ると、求職者側には何となく裏がありそうに見えて、求人掲載企業に疑問すら感じてしまいますよね。(それ当たりです)
社員が根付かない!退職者が多い!・・・そんな感じでしょうか。企業側にもいろいろ事情はありますが、これは会社の体質も絡んでいるのだと思います。
私は3度の転職で大手企業と準大手、中小企業を渡り歩いているので、所属したどの会社でも共通した”同じ悪い面”という点が見えています。
下に書く内容は私がする想像の域を脱していませんが、おおよそ考えられることと、3度の転職で感じたことをまとめると以下のようなものです。
企業が常に求人広告を載せているのはなぜ?考えられる7項目!
<企業が常時求人広告を載せている理由(想像)>
- 新規事業拡大につき多くの人材を求めているが募集が追い付いていない
- 中途採用基準のハードルが高い(TOEICとSPI性格検査など)
- 定年退職者と新卒採用とのバランスを取るための人材補充
- 早期退職者が多い。社員が根付かない
- 給料と労働時間とのバランスが崩れている
- 社内いじめ、セクハラ等
- 福利厚生、その他の削減と質の低下
会社が一番痛手に思うことは、「4.早期退職者が多い。社員が根付かない」ことです。
この項目は今勤めている会社を除き、残り3社に共通して当てはまっていたことです。
”社員が根付かない!”ということは、社員が会社を信用していないし疑問を持っている!ことの裏返しです。
それを突き詰めると、過剰な労働時間だったり休日が取れないといった労働環境の問題が浮き出てきますし、その割りに給料が少ないといった待遇面にも波及しています。
私も新卒で大手企業に入社しましたが、上に挙げた7項目すべてが当てはまっていたように記憶しています。

大手企業はブランド力や知名度だけでは図れないということです。
ぶっちゃけた話をしますが、「転職サイト」に毎月連続で掲載している同業1部上場の理系企業を見掛けますが、この会社は私の業界では超有名で理系技術者なら誰でも知っている企業です。
でもどんなに職に困っても誰も応募する理系技術者はいません。行った先で自分がどうなるか、もう先が見えているからです。

企業情報・体質を知らないのは怖いことです。大手でもそういった企業はやはりありますよ。表に出ないだけです。
その点、「ハローワーク」はしっかりしたもので、こういった社員が根付かない企業は求人募集から外されることもあります。
もっとも「ハローワーク」ではこの理由を明かしませんが。
大手企業に転職したいけど出来ない3つの理由(まとめ)
今まで”転職したいけど出来ない”理由として、
・中途採用でもTOEIC、SPI性格検査など足かせがある
・常時求人広告を載せている企業の信頼性
を挙げて来ましたが、私が実際に大手企業に所属して分かったことですが、大手企業は常にまわりとの競争が強いられます。(これってけっこうキツイです)
これは大手だろうが中小だろうが同じですが、大手の場合、成果を残せない人間は「6.社内いじめ、セクハラ等」の攻撃を受けやすいこともけっこうあって、居ずらくされる態度も何度か見掛けています。
大手企業に憧れることは分かりますし、人としての人情も分かります。ただ大手企業には中小企業にない重圧もあることを知っておいてください。
大手企業だけが会社ではありません。
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