中途採用担当者を数年続けていると、面接時に”これが書類審査の段階で分かっていればなぁ!”と思うことがあります。
面接本番では、受け答えの声が小さい方や自分で書いた職務経歴書の内容をうまく説明できない方、聞かれたことに対し的外れな回答をする方など様々な方がいますが、さすがにこういった方の特徴は書類審査の段階では見抜けません。
でも不思議とこういう方に限って、応募書類の出来が良くて面接に進むんですよ。
転職エージェントによる応募書類の添削が功を奏しているのでしょうが、ただ人に頼った文面は何かしらボロが出るもので、面接時に”この方にはこういった立派な応募書類は書けないのでは?”と疑いたくなることがよくあります。
面接の段階でボロが出る?少なくとも事前に面接Q&Aを作るなり暗記するなどして、面接での受け答え対策ができるはずですよね。
こういった面接でのボロは、中途採用担当者をかなり不快にさせてしまいます。
今回のお題は、書類審査を通過しても面接で落とされる2つの原因と、書類審査を通過しない典型的な書き方と是正方法!についてご紹介します。
応募書類が審査に通っても面接で落とされる2つの理由!
序文で”こういった方に限って応募書類の出来は良い!”と書いていますが、これは転職エージェントからの添削指導や受け売りの効果が大きいと思います。
その根拠は何?ってことですが、募集企業側は、紹介する条件として転職サイトでは書けないような細かい条件を転職エージェント側に伝えています。
が、転職エージェント側はその条件をクリアさえできれば面接にこぎつけることを知っているからこそ添削指導ができるのです。
ある意味、卵が先か!鶏が先か!って話ですよね。これって。(笑)
条件の一例を挙げると年齢、資格、技術スキル、経験年数、性格、転職回数・・・これ以外にもあります。(事実、私の会社でも場合によってこれ以上のものを要求しています)
転職エージェント側は、これらの条件を満たす方を厳選して企業側に紹介しますが、ただ条件を満たした方の中には上がり症の方もいれば、技術は持っているが語彙力がない!といった、人との接し方や表現の仕方が不得手な方もいます。
それでも転職エージェント側は採用条件は満たしているわけですから、企業側に紹介する前にその不得手部分をサポートして企業側に送り出すわけです。
応募者を採用させたいがため、履歴書・職務経歴書・自己PR書といった文章の添削指導から始まって、面接での受け答え方、模擬面接まで行っているわけです。
転職エージェントを使うことは良いことです。ただこのエージェント側の指導を最後まで自分のものにできない方もいて、面接での質問で慌てふためく方もいます。
人に頼った応募書類や文章は面接時に必ずボロが出る!
至れり尽くせりの転職エージェントによるサポートですが、ただ中には性格上、にわか仕込みで行った指導を自分のものにできない方もいますよね。
これは分かりますよ!応募書類の文面から推察される性格と人物像が、面接時の応対や一問一答の受け答えで受ける印象とまったく違い、”果たしてこの人を信じて採用して良いものか?”となるわけです。
”こういった方に限って応募書類の出来は良い!”・・・冒頭で述べたこの言葉は、転職エージェントの添削指導で、言われたことをそのまま書いて提出して審査を通過しているような気がします。
文句ばかり言っていますが、それでも指導を受けられるなら受けた方が良いです。
ただ指導を受けたその文章文面をそのまま使うことだけに徹して、応募書類を通過させることだけに専念することはいかがなものかと思います。
その言葉、文章は自分が考えたものではないですよね。絶対にバレますよ!
書類は通るけど、文章が自分のものに出来ていないだけに、そのツケが面接で回ってくるわけです。
言い換えれば、これって添削指導の文章文面に自分が納得していない!ってことですよね。
人の文章が入った応募書類はやはりボロが出ますし、中途採用担当者にそれが分かるのは、面接で2つ3つ質問した段階です。
自分の言葉で順序立てて説明しない方はやはり面接で落とされる!
面接では予期せぬ質問に舞い上がってしまい、自分の言葉が見つからずに言葉に詰まる方がいます。
こういった方は、まず面接の流れの中で、転職エージェントから入れ知恵された文言だけで受け答えし、自分の言葉で順序立てて話していない人ですよね。
だから後々回答がチグハグになって、2転3転していろいろと突っ込まれるんですよ。
中途採用担当者からすれば、自分の言葉で回答してもらいたいだけなんです。
別に転職エージェントによる添削が悪い!というわけではありません。
大事なのは、転職エージェント側から添削・指導された文章・文面を自分の言葉にしているかどうか!です。
転職エージェントから出されたQ&Aの丸暗記だけでは、2次面接はおろか、経営者面接までたどり着くのは到底むずかしいということです。
応募書類の作成はリアリティさとインパクトが基本!
ここで中途採用側が見る応募書類のポイントをご紹介しますね。
見るポイントは年齢や技術スキルもそうですが、まずは履歴書、職務経歴書、自己PR書の完成度です。
もうご存じでしょうが、型にハマったような応募書類では、今の世の中、どこの企業でも瞬殺されてしまいます。
これだけは言えるのは、応募書類にインパクトやリアリティがないものは、いくら転職エージェント経由でもまず間違いなく書類審査で落とされます。
中途採用担当者が何を見て自己PR書にインパクトやリアリティがあると思うか!
上で述べたインパクト・リアリティのある書類って何?って話ですが、まずインパクトとリアリティとは以下のようなものです。
- インパクト:心理的な衝撃。またはその影響や印象
- リアリティ:現実感、真実性、迫真性
これを見て、まずは中途採用担当者が応募者に何を求めているかを考えてみてください。
- ”この方は入社後、我が社でどういった働きができるのか!”
- ”将来リーダーシップを張れる人間なのか!”

どこの企業の中途採用担当者だって同じです。見る視点はこの2点に集中します。目的がそうだからです
この2つの要求に真実味を持たせるのが、インパクトとリアリティを兼ね備えた応募書類なんです。
インパクトは他の応募者にはない独自の発想で表現されるものですし、リアリティは定量的な数字を提示して中途採用担当者を納得させるものです。
参考に、最近応募者から出された自己PR書を例に取って書いてみますね。
インパクトとリアリティを兼ね備えた自己PR書の書き方の例!
インパクトのある書類って、こういった企業目線から見たリアリティのある発言と、職務経歴書と自己PR書に書かれている自分の一番の強みを全面に出して書かれている応募書類のことです。
インパクトは自分の得意分野と保有資格、それと今後の業界に対する自分の考察と立ち位置からのアプローチですよね。
それに加えて経歴5年という定量的な数字を文章に添えて、さらにリアリティを増していますよね。
かたやもうひとつ例を挙げるとこんな感じです。
定型文や型にハマった典型的な自己PR書の書き方の例!
この2つの応募書類を並べて見れば一目瞭然ですが、中途採用担当者がこのどちらを面接に進ませるかは言うまでもありませんよね。
前者は会社のIR情報や四季報などで会社の売り上げ部門まで調べ尽くして、”会社のこういった部署で!”といった、中途採用担当者が一番気になる点を察して自分の強みを全面に打ち出して文面を書き上げているわけです。
かたや後者はただの使いまわしの決まりきった文面ですし、表現も抽象的ではっきりしたものはないですよね。まず読んでもガツンとしたものが何ひとつも感じない文章です。
”自分の売りは何か!”、”この会社で自分が何ができるのか!”、”何がやりたいのか!”、”どういった形で会社に貢献できるのか!”といったものが一切ありませんし、まず自分を表現する言葉がないですよね。
もちろんこんな書き方だと、後々お祈りメールが届くことになります。
インパクトのある履歴書・経歴書・自己PR書の書き方はこれだけではありませんが、もしよろしければ以下の記事を参考になさってください。

転職回数の多い方にも対応するような、「編年式・逆編年式」、「キャリア式」の書き方を紹介しています。
履歴書・職務経歴書が中途採用担当者にしっかり読まれるかどうかは、この書き方の良し悪しで決まるので、ぜひ参考にしてください。
インパクトとリアリティを持たせる表現のポイント(まとめ)
応募書類の中で、履歴書は”企業側に次の職務経歴書を読ませたくさせるためのもの!”で、職務経歴書は”企業側に自身の経歴を共感させるためのもの!”といった位置づけです。
そのまとめが自己PR書であって、上で挙げた前者のような自分の生きた言葉で、インパクトとリアリティで自分を強くアピールするものです。(簡潔に書くのがコツ)
私の中で思うのは、応募者は転職慣れしているわけでもありませんし、頼れる転職エージェントがいるのでしたら、そこで応募書類の添削指導を受けた方が良いと思っています。
特に応募書類は添削指導を受けて、自分の言葉に置き換えて記入した方が良いです。応募書類の出来がプアだと、次のステップ(面接)まで進めませんからね。
まずは頼れる転職エージェントとキャリアアドバイザーを見つけることです。

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