企業側に提出する応募書類には「履歴書」と「職務経歴書」がありますが、実際にこの2つの書類だけで自己アピールが出来る方は何人いるでしょうか?
このあたりはむずかしいところですが、転職希望者の中にはこれを補足すべく、この2つ以外の自己アピール文書を別途任意提出している方もおられて、それを適材適所で使い分けて活用しています。
今ではこのやり方が常識レベルになりつつありますが、中途採用担当者の目線から見れば、やはり他の方より1歩先んじているインパクトの強いやり方です。
こういった方はそう遠くない時期に転職活動に終止符を打つことができるんでしょうね。
今回は、間違った「履歴書」の使い方と、完璧な履歴書を書き上げるために必要な3つの訴求ポイントについてご紹介します。
求人応募の際に別途提出する訴求力のある応募書類とは!
新卒の就活で提出する書類は、「履歴書」、「エントリーシート」、その他学校の成績証明書、卒業見込証明書などですが、転職の場合、これに「職務経歴書」が追加されます。
もうご存知でしょうが、転職希望者が提出する書類は「履歴書」、「職務経歴書」だけではなく、自己アピールのための様々な応募書類があります。
中には”こんな応募書類まであるんだ!”と思っている方もいらっしゃると思います。
提出書類 | 新卒者提出 | 転職者提出 |
---|---|---|
履歴書 | ○ | ○ |
エントリーシート(ES) | ○ | (△) |
成績証明書 | ○ | (△) |
卒業見込証明書 | ○ | - |
健康診断証明書 | ○ | ○ |
添え状 | ○ | ○ |
職務経歴書 | - | ○ |
志望動機書 | - | (△) |
自己PR書 | - | (△) |
課題レポート | - | (△) |
*新卒就活では志望動機書、自己PR書はエントリーシートで包括されます
求人企業に応募する際の提出書類は「履歴書」、「職務経歴書」がメインです。
ただそれは、”企業側の応募レジュメに書かれている!”というだけであって、それ以外の書類を提出してはいけない!と書かれていることは稀です。
実際に転職希望者の中には、この2つの応募書類以外にも求人企業に自分をアピールするための書類を提出している方が多いですし、私の会社に転職を希望する求職者の中にも、この2つ以外に任意に提出される方がいます。
指定書類だけ出せば良い!という企業側の指定にあぐらを書いていても、ご自分が思うほど自己アピールには足りていないはずです。
まずは自分で動くことが大事です。一度書き上げた応募書類を再度見直してみましょう。
企業応募書類は「履歴書」「職務経歴書」だけではない!
「履歴書」、「職務経歴書」は新卒の成績証明書、エントリーシートと同じようなものですから、この2つの書類に絶対に不備があってはいけませんし、不備はその段階でエントリーを失うことになります。
これらの2つの書類の書き方次第では、”採用合否を左右する!”と言っても過言でないほど重要な提出書類です。
ただ最近の求人企業は、この職務経歴書に加えて「志望動機書」や「自己PR書」を求める企業が増えてきており、事実、私の会社でも転職希望者が見る応募レジュメの書類提出項目に、”その他任意提出書類”と記載してあります。
もちろん提出の義務付けは「履歴書」と「職務経歴書」の2つですが、何人かは”その他任意提出書類”として「自己PR書」を提出して来ます。
これは「転職エージェント」のキャリアアドバイザーによる提出書類の添削指導が生かされているのでしょう。一目で分かりますよ、これって。
要所がしっかりと押さえられて書かれていますし、キャリアアドバイザー側も求人企業の目に留まるようなPR様式を雛形にして書かせているのだと思います。
参考転職エージェントこの応募書類の書き方を見ると、転職エージェントを活用されている方は強いですね。
転職歴の多さや就業期間の短さなどを”前向き発言!”の表現に変えて、自己アピールがしっかり書かれていますから、これは一種の転職テクニックとも言えるものです。
自己アピールに徹した応募書類と定型応募書類との大きな違い!
まず上の表を見てください。
求人企業側の応募書類が但書で、”「履歴書」と「職務経歴書」に限定!”とされている場合は別として、このすべての書類を提出した転職希望者と、この2つの書類しか提出しなかった方とでは比べ物にならないほど自己アピール力に差が出ます。

私が3回目の転職の際に転職エージェントから言われたことが、”応募書類はいかに自分をアピールできるか!に掛かっている”ということです。
つまり、自分をアピールする道具を何も持たずに企業に訪問しても、企業側はまったく相手にしてくれないということです。
この2つの応募書類だけでは、自己アピール力の強い他の転職希望者の足元にも及ばないでしょうし、運良く面接に漕ぎ着けたとしても、中途採用担当者側としては、やはり自己アピール力の強い人の方に目が行きます。
現実的に、中途採用担当者にそう思われた段階で勝負は着いています。
その勝負を分けたものが、「志望動機書」なり「自己PR書」なのです。
”この書類すべて提出!”とは言いませんが、転職を成功させるためには、今自分をアピールできる書類は絶対に提出すべきですし、この状況を見ると提出することがさも当たり前のようにさえ思えます。
志望動機書と自己PR書とは内容的にダブる点もありますが、書くにしても同時に提出する職務経歴書の内容を包括するような(補足するような)書き方をすることが重要です。
決して同じ内容で書かないことです。(同じような内容は深く読まれません)
履歴書の書き方でやってはいけないことと注意するポイント!
まず最初にお話しするのが「履歴書」の様式・書き方・電子媒体の可否!
(職務経歴書の書き方については後日記事UPします)
履歴書の作成は、通常は求人企業の指定に従って手書きによるものと、Wordなどのワープロ作成によるものになりますが、指定されなければ別に手書きではなくWordで作成してもかまいません。
一瞬、手書きの方が求人企業に対して印象が良いように感じますが、すべての企業がそうだとは限りません。
応募書類は手書き・ワープロのどちらに優位性があるか!
これはちょっとこぼれ話になりますが、私が勤めている会社の役員さん(中途採用担当部署)は、今だに”応募書類は手書きだろうよ!”と言い張っています。
そういった”昔ながらの決まり切った尺度!”で物事を考えてしまう求人企業も今だにありますが、現実は企業側は手書きよりもWord(PDF)などの電子媒体を望んでいます。
手書き提出だと企業側も書類の扱いが面倒なのです。
今の時代、求人企業側もペーパーレス化が当たり前ですし、少ない採用枠に対して応募者が数十人といるわけですから、とてもとても紙だけではこちらも手が回らないというのが現実です。

私の会社では、面接前の応募提出書類として手書き、Wordどちらでも受付していますが、PDFなどに変換してメールで送ることも可能としています。
結局、手書きで応募書類が送られて来ても、人事関係者がスキャンしてPDFに変換した後に、グループウェア内のToDoリストに入るようにしていますから、実際、企業にとって手書きのメリットってあまりないのです。
手書き文字より記載してある中身の方が重要です。
電子媒体なら記録を残せる!
ただそれだけの理由ですが、ダブルエントリー(他の転職サイトからの同時応募)も防げるので、PDFで送ることを推奨しています。
もちろん手書き応募でもかまいませんが、それに対しての優劣はほとんどありません。求人企業側の特記事項に従って、どちらでも安心して提出してください。
使用する履歴書様式の勘違いは求人企業側に一目で瞬殺される!
応募時に使用する履歴書は、JIS規格(B5 or A4)の様式で市販で売られていますし、100均でもそれなりの物が置いてあります。
ただ履歴書の様式には、「新卒用」と「転職用」があるのをご存知でしょうか?
新卒用の履歴書には”好きな科目”や”得意なもの”と書かれているものがありますが、実際に中途採用する求人企業側にとっては、この2つのアピールは何の意味もありません。
もし書くなら、自己PR書などに記載すれば良いだけの話です。
一度確認してみてください。「転職用」の履歴書様式にはこの2つの項目がないはずです。
それを知ってか知らずか、「新卒用」を使って”数学が得意!”とか”野球が得意!”と平気で書いて応募される方がいます。
*新卒用履歴書の例
中途採用担当者が最初に見るのはこの「履歴書」ですから、この意味のない様式だと瞬殺されてしまいますよね。転職に対して”常識がない!”の一言で片付けられてしまいます。
「履歴書」は、書く内容の良し悪しで訴求力が決まるといっても過言ではありませんが、こういった低レベルの勘違いは土俵に上がる以前の話です。
中途採用担当者に履歴書を読ませるための3つの訴求ポイント
「履歴書」は職務経歴書と違って、今までやってきたことを書き綴るだけですから、そんなに手間ではない!と感じますが、実は「履歴書」は以下の3つを備えていないと、次に読ませる書類(職務経歴書等)への訴求力が絶対に上がりません。
- 見やすさ!⇒隙間なく書き綴るのはNG(8割程度がちょうど良い)
- 分かりやすさ!⇒文章構文の流れに乗って書かれている
- 求人企業が知りたい情報!⇒求人側の採用条件を反映させた書き方
たったA4(B5)2枚に、この3つを兼ね備えた履歴書を書かないといけないですし、この3項目がしっかり書かれていないと、職務経歴書を読まれるまでに辿り着けないということです。
ではどうやって書くべきか?ということですが、この3つは当然のことながら、着目すべきは文章の表現力です。
”体言止め”する場所と、”ですます調”を使い分けると文章にメリハリが出るように、構文・段落、文章の流れに沿って誰にでも読みやすいような書き方にすることが大事です。
それと文章能力!
自分で書いた文章は大概、他の方から見ればおかしな文章になっていることが多いです。
私もこのブログを1記事につき4,000文字ほど書いていますが、後から読み返せば変な文章表現になっていることが多いですし、読み方によってはまったく別の意味に捉えられることもあります。
これは中途採用担当者とて、履歴書の書き方次第では同じように感じることです。
まずは一度履歴書を書き上げたら、自分の履歴書を採用者目線で見直してみることと、第3者に必ず見てもらうことです。その方が完成度の高い履歴書になるはずです。
文章の上手な方はそんなにおりませんよ。
恥ずかしがらずに第3者の目を参考になさってください。
履歴書評価の外せない3つの訴求ポイント(まとめ)
「履歴書」は様式がある程度決まっている分、書きやすさだけで言えば、上の表で挙げた数個の提出様式の中では書きやすい方です。
ただ何度も書きますが、履歴書は自分の今までの半生を羅列しているだけのものですが、企業側の書類選考や面接に至るまでの間に最初に読まれる応募書類だ!ということを忘れないでください。
履歴書は完璧に書き上げないといけない!中途半端な表現ではいけない!ということと、完璧に書き上げることが当たり前だ!というです。
上から目線であえて書かせて頂きますが、これに続く応募書類を中途採用担当者に読まれるためには、履歴書自体に訴求力がなければ、次に読まれるべき書類に辿り着けないということを覚えておいてください。
務経歴書や自己PR書は履歴書よりもっと書き方!表現力がむずかしいですよ。
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